『火星通信』#085にはCOMING 1990/1991 MARS (3)として、恒例の「見掛けの大きさや位相の変化」が掲載された。今回はその前半で、4月から最接近前までの月初における火星の様子がグリッド入りの図で示されている。最接近前までの火星面中央緯度は常に南を向いていて、Lsは195゚から335゚まで動き、南極冠の消失を観測出来る観測シーズンであることが判る。
次いで、新しいコラムの「ときどき SOMETHING OLD」第1回目で、1990年が1911年の接近と季節的に良い近似を見せる接近であることから、「1911年の黄雲」と題して、アントニアジ(E M Antoniadi)の1911年の観測をとりあげた。 "La Planète Mars"(Hermann et Cie,1930)から、「衝」をはさんでみられた黄雲の活動と、それに先立つ白雲の活動の記事を拾って解説されている。1911年に見られた変化として、Nepenthes運河の濃化があげられている。
この号の編集後記には、『火星通信』の印刷・発送の運営姿勢が説かれていて、購読者諸氏に更なるカンパをアピールしている。