10 Years Ago (51)
10 Years Ago (51) (Japanese)
-CMO #079 (10 Nov 1989) & #080 (25 Nov 1989) -

火星は1989年十一月には「おとめ座」にいた。十月に「合」を迎えたばかりで、太陽との離角も小さく、観測は全くのシーズンオフになっていた。
 #079には、「1988年火星面観測リスト 第U部 国内関係・下半期分(1 Oct 1988〜15 May 1989)」が#074の第T部に続いて掲載された。
 後半の観測総数は1422点に達し、26頁に及ぶリストになっている。前半は1895点に達していて、総計では3317点となった。南氏は「通常、最接近後の方が観測が楽になるので、数が増えるものだが、予想に反して逆になった。天候の所為あるかと思うが、反省するところもあるかも知れない。」と感想を述べ総括されている。この期間の報告も前期と同じ34名から寄せられた。

 3317点の月別の内訳は下記のようになった。当然、最接近を挟んでピークが出来ているが、九月の低迷は天候不順の為である。

1987 1988                                           1989
Dec Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec Jan Feb Mar Apr May
 35  28  21  40 110 151 177 298 576 459 557 384 262  62  35  39  67  16
 国外からも此の時点で約450点の観測が寄せられていた。参考上もう少し外国からの観測結果を集める予定であることも表明されていた。

 #079には「再見臺北(五)」『臺北には銭湯があるか?』が掲載された。南氏の二回の台湾滞在中における「所変われば・・」の風呂・部屋事情が紹介されている。また、戦後の中華民国台湾の対日感情について、在台中に感じられたことを述べられている。

 #080にはドン・パーカー氏の紹介記事が掲載された。南氏による「火星観測者介紹シリーズ」の第一弾である。惑星撮像の先駆者たるパーカー氏の機材とこれまでの活動・業績、並びに人となりが語られている。

 また#080には、この期間の次の方々の来信が紹介された。 阿久津富夫・尾代孝哉・岩崎徹・Jeff BEISH(Fl. USA)・Gérard TEICHERT(FRANCE)・Richard McKIM(Oundle, UK)・Don PARKER (Fl. USA)

 最後に浅田正氏の訪沖のコメントも掲載されている。

(Mk) 村上昌己