火星は1989年八月には「しし座」を順行して、太陽との離角はますます小さくなっていった。視直径も最低の3秒角台になり、観測の対象ではなかった。
「LtE スペシャル」は四回目となり、1 Nov 〜 30 Nov 1988の一ヶ月間のものが紹介されている。お便りは次の各氏から合計26通あった。
中島守正(1 Nov):尾代孝哉(1,16 Nov):岩崎徹(1,15 Nov):伊舎堂弘(1,18 Nov):長谷川久也(2,6,21 Nov):宮崎勲(3,17,30 Nov):白尾元理(4,19 Nov):熊森照明(7,18 Nov):石橋力(7 Nov):「SKY WATCHER」編集部(7 Nov):松浦恵介(10 Nov):陳俊榕(12 Nov):大場與志男(13 Nov):松本直弥(14 Nov):小石川正弘(15 Nov):神崎一郎(15 Nov):沼澤茂美(22 Nov)
その当時の1988年十月下旬から十一月上旬の頃は火星はまだ視直径は15秒角以上あって、夕方の空の「うお座」で「留」を迎えたばかりで、十分な大きさなのだが、お便りの内容は衝の後の店じまいの様な寂しさが感じられる。
南氏も臺北での滞在を終えて十一月末には帰国する予定になっていたこともあり、お便りの中でも触れられている。
コラム記事にはOAA MARS SECTION の番外があり、C E Hernandez氏(Florida,USA)とBarry Adcock氏(Victoria,Australia)のお便りが浅田正氏により紹介されている。
また「編集部だより」として、一頁の編集後記が埋草の一種ということで南氏により繙かれた。ご自身の近況と『火星通信』編集の御苦労が表れている。ウエッブページでは頁や字数の制約が無く、編集が楽だが、印刷物ではそうはいかないのは今でも御苦労のあるところである。